2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧
「アジャストメント」(Adjustment Team)翻訳:浅倉久志 現実崩壊と上位存在。解説にもある通りいかにもディックらしい作品。世界の変化に気が付く場面(P35-39)の焦燥感は流石。ただ、その直後の電話ボックス直送のシーンはちょっと笑ってしまった。しが…
男はバカだから「初恋の人」を生涯忘れられずに引き摺り続ける、と何かで読んだ記憶がある。これはたぶん真理で、そして「初恋の作家」にも同じことがいえる。少なくともおれはそうだ。 ディックを初めて読んだのは大学一年生のころだった。せっかく大学生に…
これでこのシリーズの既刊はすべて読破。構成は二作目とほとんど同じだけど、五章だけはキタサンブラック単体の小伝になっている。 一章ではカブラヤオーが印象的だった。菅原騎手がテスコガビーとカブラヤオーのどちらを選ぶか迷ったときに、茂木師が助言し…
一作目から続いてこちらも読破。前作は時系列順に書かれていたけど、今作はそういうわけではない*1から、前作に比べると競馬史の流れを体験するという要素は薄い。ただ特に一章と三章は「時代の流れ」が重要な要素になっている個所もあって、日本競馬史の知…
命のネジを巻く旅人サバロ(1993年、日本、監督:江路村秋草、97分) アニメ化してるなんて知らなかった。こういう隠れた作品を見つけられるのもAmazonプライムのいいところですな。まあ、有料チャンネルに課金が必要で妙に高かったけど、草上仁先生の作品の…
ハードコア(2016年、ロシア/アメリカ、監督:イリヤ・ナイシュラー、96分) すごい。アイディアもそれを実現する技術力も、そして嘘をきちんと覆い隠す創意工夫も、非の打ち所がない。序盤からかなり飛ばした展開が続くけど、キチンと抜くところは抜いて緩…