電羊倉庫

嘘をつく練習と雑文・感想など。ウェブサイト(https://electricsheepsf.web.fc2.com/index.htm)※「創作」タグの記事は全てフィクションです。

ポルノグラフィティFANCLUBツアー「FANCLUB UNDERWORLD 6」の簡単な感想

 福岡公演に参加してきました。

当日は隣のドームで野球の試合があったこともありめっちゃ混んでいた。

 人生初のライブハウス。想像していたよりもずっと近い。席が存在しないライブ自体が初めてでどのくらいのものか分からなかったから、整理番号的にはもっと前に行けたけど一階やや前方辺りに位置どった。それでも近い。ポルノがそこにいる。岡野昭仁さん*1新藤晴一さん*2が肉眼で観察できる。視線も手の動きも見える。前回参加した「PG wasn't built in a day」もかなり近い席でテンション爆アガリだったけど、やっぱり箱の違いっておおきいんだなあ。違うタイプの近さに感激する。文化祭のステージの距離感。ポルノグラフィティが同級生だった。えっ、もしかしてNO SCORE? おれは十六歳で学生服着てあいつらとタメ口きいて駄弁って笑って喧嘩して……?

 前回と同じくネット配信等がないから一曲づつ感想を書くことはできなくて、全体的な雰囲気や一言コメントだけになる。詳細な感想はDVD/BDが発売されてから書く予定。

 以下、簡単な感想。

 ファンへの強烈なサプライズプレゼント。頭と尻尾を予想通りで挟んで前後の記憶が吹き飛ぶほどの衝撃がサンドイッチされていた。ライブで演奏頻度が高い所謂定番曲はアレンジが強めに、披露される機会が少ない楽曲は原曲に忠実寄りに演奏してくれたのがたまらなく嬉しい。

 ド頭一発目の「INNERVISIONS」は予想通り。「FCUW5」を踏襲してアルバムの曲順だろうという当然の予測もあるけど、待機中に流れていた音楽が「INNERVISIONS」のイントロだったからね。ラップパートも手拍子だったけど、リズムに合わせるのがちょっと難しかった。不思議なほど若さを感じさせる。「グァバジュース」は大好きな楽曲なのにほとんど記憶に残っていない。理由はサウダージのノーマイク歌唱があまりにも衝撃的だったから。一曲フルでマイクなし。最前列ではないおれにも伝わる圧倒的な歌唱。最前の人、よく正気を保っていられてなあ。楽器もボーカルに合わせた絶妙な音量感。ほとんど陶酔してた。だから直前の記憶が消し飛ばされた。返して! ぼくの「グァバジュース」を返してよ! おれは「グァバジュース」を聴いてグァバブレンドジュースを飲み始めたくらい「グァバジュース」が好きなのに……。あっ、これ書いていてようやく思い出せたけど〈そして笑顔うかべて引き金をひくんだね〉のところで顳顬に指鉄砲を突き付けていたのが良かった。早く聴きなおしたい。「愛なき・・・」はかなり原曲に忠実だった記憶がある。ロック調でダウナー。ただ、低音のパートがやや歌いにくそうだったような印象もあった。

 MCで昭仁が「いまから変わった曲をやるけど初めてライブに来た人はあとで詳しい人に聞いてみてね」みたいなことを言っていて、おれはてっきり「サボテン」をインディーズバージョン(「小さな鉢のサボテン」)でやるのだと勘違いして*3油断していた。「FCUW5」の「ヒトリノ夜」みたいなサプライズ枠だと思って単純にワクワクしてしまった。油断大敵。「オレ、天使」のイントロが流れ、明らかにいつもとは別の前口上が流れ始める。「Cupid」という言葉が聞こえた瞬間、おれの脳内で爆発する感情の昂り。「オレ、Cupid」は……やっぱりほとんど記憶に残っていない。意外性に打ちのめされてほとんど茫然としていた。「オレ、天使」に比べてよりロック寄りになっていたこと、歌詞がかなり変わっていたことだけは覚えている。いまになってもっと聴きたい、聴きなおしたい、歌詞を読みたい。それほどの衝撃を受けたのに「サボテン Sonority」の記憶が一応残っているのは知っている曲が流れたことに安心したからかもしれない。モニターの雨の演出がシンプルながらグッとくる。晴一がやや自虐的に語っていた「Name is man ~君の味方~」 だけど、会場の雰囲気にもっとも合った曲だったと思う。ゆったりとした雰囲気とライブハウスの規模感がマッチしていた。「デッサン #2 春光」はライブで聴けて良かった。ゆっくり心に染みこんでくる大人が受け入れるべき哀しさ。

 ややしんみりした雰囲気から明転して始まったのは「激ムズポルノ音当てクイズ大会」。えっ、そんなことまでやってくれるんですか。おれは指名されなかったけど、何人か当てた人がいて、心底うらやましかった。クイズの内容は全部覚えているわけではないけど、「幸せについて本気出して考えてみた」だけは即座にわかったことは覚えている。ただし「ROLL」は見事に「鉄槌」に引っかかってしまった。生演奏で音当てクイズがやれるとはなんて贅沢な時間だったんだろう。すっげえ楽しかったし盛り上がってとても良かった。楽しかったからDVD/BDに収録してくれないかなあ。

 再び演奏に戻る。爆発するいつもの楽しさミュージック・アワーで踊りはしゃいで汗かいて最高だった。最近は「暁」で披露されたファンクなアレンジで演奏される傾向があって、もちろんそっちも大好きだけど素材の味もやっぱり良いね。「空想科学少年」は……これがまた素晴らしい。ギターのリフに脳を灼かれる。あのミョミョミョミョンミョンっていう謎の音、ギターだったのか。ライブの非インスト曲でボーカルよりもギターに惹かれたのは初めてかもしれない。「Report21」はこの定番曲の「ミュージック・アワー」を抑えてライブで一番楽しかった曲かもしれない。瞬間的にびっくりするほど汗かいた。「夜明けまえには」はややロック寄りになっていた気がする。さらりと終わったことが却って次の曲を予感させた。

 ラストは『foo?』から飛び出して最新曲「THE REVO」。こちらも予想通りだった。最新曲でアルバムの曲数的に時間的余裕もあるから、という当然の予測もあったけど、なにより「夜明けまえには」前のMCがあまりにあっさりだったこと、それと昭仁の「アルバムからはこれが最後」という言葉が前振りになっていたから、やっぱりやるよねって心構えができていた。会場のほとんどの人が初聴きだったであろうこともあってややノリきれていないところもあったけど、シンガロングの部分も含めて、徐々に勝手がわかって盛り上がった。〈さらば過去よ〉からの言葉のラッシュに打倒されそうになる。尻上がりに加速していく楽しさがライブを締めくくってくれた。

野球の試合が長引いたこともあって帰りは意外と混んでいなかった。

 FCUW初体験だったけど想像以上に楽しかった。9年ぶりかあ……これ毎年やってくれないかなあ。いや、毎年やるなら福岡には来てくれないよなあ……けど、本当、二年おきくらいのペースでやってほしい、と思えるくらい純粋に楽しかった。

 願い事たった一つだけもしも叶えてくれるなら「オレ、Cupid」を音源化してほしい。早急に。DVD/BDよりも早く音源で聴きたい。とにかく聴きたい。デジタル・ダウンロード専売でもいいから。聴き返したさすぎてのたうち回っている。

*1:以下、敬称略。

*2:以下、敬称略

*3:曲順も「オレ、天使」と「サボテン」を逆で記憶してしまっていた。