星新一
「宇宙のあいさつ」 地球老年期の始まり。 宇宙人。スムーズすぎる侵略には思いがけない罠がある、という星新一的アイロニーの典型的な作品でありながら、展開には意外性がある。オチを敢えて子供に語らせることで皮肉を強調している。人類はどうなるんだろ…
「椅子」 母への郷愁は呪い。 呪いのアイテムにしては平凡な見た目だけど作用はかなりキツイものがある。こんなに短い話なのに終盤に至るまで「二人とも母を幼くして失っていた」という前振りが頭から抜け落ちていた。 「雪の夜」 二階で永劫の時を過ごすム…
「合理主義者」 理論は現実を超越する。 前提の設定がやや珍しいけど展開もオチもシンプル。ある意味星新一作品で一二を争うほど純粋な人なのかもしれない。理論に外れたものを全否定するという意味では典型的な理系(への偏見)を描いている。 「調査」 知…
「デラックスな拳銃」 無用な多機能拳銃保有のチンケな男。 デラックス。強盗(?)。本来の用途とは無関係な機能をこれでもかと付けた携帯可能な道具、ということでスマートフォンを予見したといえなくもないけど、これはそういうことを気にするべき作品で…
「悪魔」 金貨と氷上と悪魔。 悪魔。お手本のようなショートショート。前振り、展開、オチ(そしてツボが湖の底にし沈んでいた理由≒初期設定の原因の提示)が完璧にそろっていて、しかも簡潔。巻頭を飾るにふさわしい作品。ちなみに、福本信行『賭博堕天録カ…
原作にかなり忠実なドラマ。15分という尺も、間延びはしないけどアレンジの幅が程よく残っていて絶妙。素晴らしい。気軽に観れる明るい作品、思想色が強く鬱々とした作品、意外なオチがついた作品、雰囲気を楽しむ作品と、星新一*1の作品の中でも色とりどり…