電羊倉庫

嘘をつく練習と雑文・感想など。ウェブサイト(https://electricsheepsf.web.fc2.com/index.htm)※「創作」タグの記事は全てフィクションです。

2023-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ポルノグラフィティ10thアルバム『RHINOCEROS』感想

さまざまな年代、薄明りのイメージ。 全体的に夕暮れ(「wataridori」「Stand Alone」「バベルの風」)から日暮れ(「ANGRY BIRD」「Ohhh!!! HANABI」)や明け方(「ワン・ウーマン・ショー 〜甘い幻〜」「AGAIN」)のイメージが強く、朝方や昼日中は薄い。…

星新一『ボッコちゃん』〔ファンタジー/SF強めの初期傑作選〕

「悪魔」 金貨と氷上と悪魔。 悪魔。お手本のようなショートショート。前振り、展開、オチ(そしてツボが湖の底にし沈んでいた理由≒初期設定の原因の提示)が完璧にそろっていて、しかも簡潔。巻頭を飾るにふさわしい作品。ちなみに、福本信行『賭博堕天録カ…

陳舜臣『中国傑物伝』〔文明の擁護者、過小評価された男、バランサー、晩節を全うした者たち〕

純粋な短編小説というより評伝に近いスタイルで、春秋の范蠡から清末・民国初期の黄興までの傑物16人を採り上げている。内訳でいうと君主は四人(漢の宣帝、曹操、符堅、順治帝)だけで、あとは宰相や激動の人生を過ごした人物や在野の活動家などが多く、軍…

最近見た存在しない映画(2023年8月)

午後の大進撃(2003年、日本、監督:トニー浅利、65分) スラプスティックハチャメチャドタバタコメディ。主に90-00年代の『アフターヌーン』誌に掲載されていた漫画のキャラクターたちが所狭しと暴れまわる楽しいアニメーション。周年記念のお祭り企画で始…

最近見た映画(2023年8月)

騙し絵の牙(2021年、日本、監督:吉田大八、113分) 面白い。最序盤は葬儀から始まることもあってやや雰囲気が暗く「この感じで続いていくならちょっと嫌だなあ」と思っていたけどハイテンポエンタメでサスペンス要素も良く出来ていてとても楽しかった。フ…