電羊倉庫

嘘をつく練習と雑文・感想など。ウェブサイト(https://electricsheepsf.web.fc2.com/index.htm)※「創作」タグの記事は全てフィクションです。

映画

最近見た存在しない映画(2024年2月)

ザ・リーチ(1953年、アメリカ、監督:ジェフ・シャセット、70分) おどろおどろしい雰囲気と不条理な宇宙生物の襲来、その対策に関する人間関係のいざこざ科学技術に創意工夫、そしてもう一段のオチ……と古典的な怪獣映画。もちろん映像技術的には現代の映画…

最近見た存在しない映画(2024年1月)

ドリブレッドをおくれ(2010年、アメリカ、監督:クラレンス・メツガー、124分) ほんの少しの水ドリブレッドを巡る人々の葛藤を淡々と描いている。背後にある陰謀論的世界と、それに関わっているはずなのに事態の進行から疎外され続ける主人公のK・カフ(K.C…

最近見た映画(2024年1月)

きさらぎ駅(2022年、日本、監督:永江二朗、82分) ネットロアを基にした映画で、元ネタは一応は読んだことあったし元ネタを原案に大幅にアレンジした映画ということは知っていたけど、まさかここまでパニック映画風になっているとは……けど、登場人物を増や…

最近見た存在しない映画(2023年12月)

と、ある日の二人(2025年、日本、監督:池地ツナ、88分) 原作にある独特の雰囲気が十二分に活かされた映画。個人的にはアニメで観たかったけど実写でこれほど原作再現ができているのはすごい。「と、ある日のわたしとタケル」「と、ある日の僕のひも」のみ…

最近見た映画(2023年12月)

コマンドーニンジャ(2018年、フランス、監督:ベンジャミン・コンブ、68分) パロディ満載大変愉快な映画。 タイトルの通りおバカな低予算自主製作映画。『コマンドー』と忍者をくっつけたタイトルで基本咳な設定はたしかに『コマンドー』のパロディだけど…

最近見た存在しない映画(2023年11月)

地球に磔にされた男(2017年、日本、監督:山田寛一、100分) 素晴らしい。時間SFの中でもかなり変わり種で理論はタイムトラベルだけどやっていることはパラレルワールドの移動で、落着はタイムリープものに近い。すげえや、時間ものの新機軸だ! 怠惰な男が…

最近見た映画(2023年11月)

MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年、日本、監督:竹林亮、82分) めっちゃ面白い。やっぱり時間循環ものはいいねえ。登場人物それぞれに個性があるけど不快感はなくて時間もの特有のイライラさせられるような描写もほとんど…

最近見た存在しない映画(2023年10月)

7.62ミリ(1988年、チェコ、監督:オンドジェイ・ランパス、124分) 対象物を見ると死ぬ(別生物に変質する)という設定は(逆だけど)藤田和日郎『邪眼は月輪に飛ぶ』を思い出す。もちろん年代を考えると両者ともにまったく影響しあわないところで作られた…

最近見た映画(2023年10月)

明日への地図を探して(2020年、アメリカ、監督:イアン・サミュエルズ、99分) 時間循環タイムループSFに外れなし。面白い。この手の映画にしては自暴自棄バイオレンスなシーンがほとんどないのも好印象。最近見た映画だと『パーム・スプリングス』もそうだ…

最近見た存在しない映画(2023年9月)

世界の果てまで何マイル?(1993年、アメリカ、監督:ウィリアムズ・クリスタルマン、103分) マジックリアリズム・ロードムービー。派手さはないけど、なんだかたまらなくなってくる。印象的なのは、やっぱりトーキング・マン。名に反して本当に一言も発す…

最近見た映画(2023年9月)

地獄の黙示録 特別完全版(2001年*1、アメリカ、監督:フランシス・フォード・コッポラ、202分) スタニスワフ・レム「親衛隊少将ルイ十六世」や〈気分はもうカーツ大佐〉で興味があったので視聴。とても長い映画ということ、ベトナム戦争を題材にした映画と…

最近見た存在しない映画(2023年8月)

午後の大進撃(2003年、日本、監督:トニー浅利、65分) スラプスティックハチャメチャドタバタコメディ。主に90-00年代の『アフターヌーン』誌に掲載されていた漫画のキャラクターたちが所狭しと暴れまわる楽しいアニメーション。周年記念のお祭り企画で始…

最近見た映画(2023年8月)

騙し絵の牙(2021年、日本、監督:吉田大八、113分) 面白い。最序盤は葬儀から始まることもあってやや雰囲気が暗く「この感じで続いていくならちょっと嫌だなあ」と思っていたけどハイテンポエンタメでサスペンス要素も良く出来ていてとても楽しかった。フ…

最近見た存在しない映画(2023年7月)

早乙女さんにはもうデスゲームしかない(2023年、日本、監督:浜輪裕、105分) 青春コメディ。監督を含めてかなり若手のスタッフで製作されていて役者も作品設定の通り高校生が起用されているらしい。撮影現場の雰囲気も良かったんだろうなあ、きっと和気藹…

最近見た映画(2023年7月)

八つ墓村(1977年、日本、監督:野村芳太郎、151分) 片田舎を舞台に腐敗した旧家と現地の奇妙な伝承を巡って殺人事件が発生し、外部の人間が捜査に乗り出す……というとおれはテレビ朝日『トリック』を思い出すけど、たぶんこの時期の諸作品がその源流なのだ…

最近見た存在しない映画(2023年6月)

ソーシャル・エンジニアリング(2021年、ギリシア、監督:ディミトラ・ハリトス、79分) 原作と同じくシンプルで良く纏まった映画。映像のレベルも高くて、特にナビゲーターがくるくると入れ替わる冒頭のシーンはとても印象的。ただ、この手の拡張現実の描写…

最近見た映画(2023年6月)

名探偵ピカチュウ(2019年、アメリカ/日本、監督:ロブ・レターマン、104分) 思っていたよりCGの出来がいいなあ、というのが第一印象。質感が不気味の谷に落ちるギリギリにいて、表情の豊かさや仕草の可愛らしさは素晴らしいものがある。ポケモンが生活に溶…

最近見た存在しない映画(2023年5月)

AWAY―アウェイ―(2021年、日本、監督:茂戸実、107分) とても良く纏まっていている誠実な映画。やや過剰な演出もあったけど、全体的に落ち着いていて役者も演技巧者揃い。ただ、パニックホラー的な側面がかなり強化されていているから、そういうのが苦手に…

最近見た映画(2023年5月)

映画 真・三國無双(2021年、香港/中国/日本、監督:ロイ・チョウ、118分) 中国の『三国志演義』を基にした日本のゲーム『三國無双』シリーズを原作にした香港と中国と日本の合作映画がグルっと一周回って日本に翻訳輸入されてきたらしい。というか『三国無…

最近見た存在しない映画(2023年4月)

裏バイト:逃亡禁止 劇場版(2027年、日本、監督:佐久間キュウ、119分) テレビシリーズの好評を受けて製作された劇場版で、テレビドラマ版から一気に視聴した。音楽を多用せず大げさな声をあげることもなくキッチリ正道に恐ろしいのはテレビシリーズから変…

最近見た映画(2023年4月)

ノイズ(2022年、日本、監督:廣木隆一、128分) 何かの記憶違いかもしれないけど物凄く明るいCMを観た記憶があって「がんばればがんばるほど不条理に死体が増えていく。一体どうすんのこれ!」みたいなコメディサスペンスなのかなと思って観始めた。もちろ…

観たいのに入手困難な映画やドラマ

世界が燃えつきる日 地球じゃなくて世界です。地球の方はそれなりに手に入るみたいだけど、こっちは入手が難しい。なにせAmazonで五万近くの値段がついている。いやあ、いくらなんでもそんな値段では買えないなあ。 そもそもなんでこんな……あまり出来が良さ…

最近見た存在しない映画(2023年3月)

花と機械とゲシタルト(1987年、日本、監督:山岡治、99分) かなり尖った絵柄で、正直パッケージを見たときはあまり良い印象を受けなかったけど、想像よりずっと原作と合った雰囲気を出せていた。デフォルメが効いた絵柄にどこか暗めの色調、そして抑揚の効…

最近見た映画(2023年3月)

トップガン マーヴェリック(2022年、アメリカ、監督:ジョセフ・コシンスキー、131分) カッコイイ。 スゲエ面白かった。誰もが予想する「絶対こうなるよなあ」ってのをまったく外さずに完璧に面白いものに仕上がっているのは本当に奇跡的だと思う。各所で…

最近見た存在しない映画(2023年2月)

天使のハンマー(2000年、日本、監督:和達孝敏、93分) 時系列の管理が完璧な映画。最初と最後が一致する構成で、しかも頻繁に回想を挿入しているのに表現が明快で物語の筋がスッと頭に入ってくる。 あだち充作品でも一二を争うほど暗く、救いがない物語。…

最近見た映画(2023年2月)

ハリポタ祭りしてました。原作はリアルタイムで全巻読読破して、映画も三作目までは劇場で観たんだけどそれ以降は足を運ばず小説だけですませていた。大学のころにレンタルで一気見して、その一年か二年後に春休みか冬休みの帰省で原作を読み返した。だから…

最近見た存在しない映画(2023年1月)

空色(1980年、日本、監督:今井八朔、60分) 60分という、映画としては決して長いとはいえない時間で幼少期から壮年期までを違和感なく描いているのはもっと評価されてしかるべき。遊び盛りから働き盛り、純真から欺瞞、自由から責任、と移り変わっていく様…

最近見た映画(2023年1月)

ユージュアル・サスペクツ(1995年、アメリカ、監督:ブライアン・シンガー、106分) あっ、これだったのか。 やや凝った構成(現在/病院、現在/警察、過去の三パートある)で開始しばらくはちょっと混乱したけどわかってしまえばそれほど複雑な話ではない。…

最近見た存在しない映画(2022年12月)

リボーンの棋士(2024年、日本、監督:及川肇、128分) 役者も演技巧者揃いでビジュアルの再現もかなりレベルが高い。ビジュアル面では特に土屋は完璧に近い役者を連れてきていた。エピソード自体はやや端折られていたけど川井役の役者の演技力はもっと絶賛…

最近見た映画(2022年12月)

ファイト・クラブ(1999年、アメリカ、監督:デヴィッド・フィンチャー、139分) 有名作なので視聴。とあるゲーム作品経由で仕掛けのことは知っていたけど物語の筋や落着がどうなるのかは知らなかった。基本的な設定(「ファイト・クラブ」という組織やタイ…