電羊倉庫

嘘をつく練習と雑文・感想など。ウェブサイト(https://electricsheepsf.web.fc2.com/index.htm)※「創作」タグの記事は全てフィクションです。

2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

湊かなえ『往復書簡』[詳細感想版]

通常版が読んでもらえているので詳細版を作りました。 《構成》 全編が手紙のやり取りで構成された連作短編集。作品ごとに主要キャラクターは入れ替わるけど、登場人物や赴任先の国など、小さなつながりがある。ただ、それも直接関連しているわけではなく、…

フィリップ・K・ディック『変種第二号』[戦争と人造物+サスペンス=不安]

「たそがれの朝食」(Breakfast at Twilight)翻訳:浅倉久志 現実崩壊。短編の諸作品の中でも最も明快にディック的な「不安」が描かれている。時間軸の設定が絶妙で、近すぎず遠すぎない時間設定はラストシーンに説得力を持たせてくれるし、最後のセリフの…

ハーラン・エリスン『世界の中心で愛を叫んだけもの』[暴力の嵐、愛情の渦、薬物の雷]

ここで書いた通り、エリスンは好きだけどこの短編集にはどこか苦手意識みたいなものがあった。話の筋は小難しくてよくわからないまま、暴力の嵐のど真ん中に放り込まれて、ただ翻弄されて終わり、とそんなイメージ*1が強くて……。けど、上記のブログにも書い…

最近見た存在しない映画(2022年9月)

告白―コンフェッション―(2000年、日本、監督:川本伸治、105分) まずはやっぱりビジュアルが素晴らしい。原作の作風が割と劇画寄りなことを加味しても浅井と石倉のどちらも原作のビジュアルを忠実に再現しているのはもっと評価されるべき。原作はほとんど…

最近見た映画(2022年9月)

ガンズ・アキンボ(2019年、イギリス・ニュージーランド、監督:ジェイソン・レイ・ハウデン、98分) 魔法の杖の代わりに金属の銃を握らされた生き残った男の子っぽいおじさんが、名前を言ってはいけないあの人みたいなスキンヘッドのおじさんに殺し合いYouT…