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嘘をつく練習と雑文・感想など。ウェブサイト(https://electricsheepsf.web.fc2.com/index.htm)※「創作」タグの記事は全てフィクションです。

ポルノグラフィティ19thライブサーキット「PG wasn't built in a day」の簡単な感想

 福岡公演に参戦してきました。

 すげえ近かった。うっひょひょひょ、やったやったやったたー! 人生でこれ以上ステージに近づくことはないと思う。肉眼で壇上の人々が見えて、生の声なんじゃないかと錯覚しそうなほど間近な声が、楽器が、床を這って伝わって全身が震える。マジで二・三歳くらいは若返った気がする。あと目視で岡野昭仁さん*1新藤晴一さん*2を見たんだけど、いや、本当にヒューマンだったんだなあ。画面越しの人々だったからこれだけ近くで観ると不思議なもので「本当に(種としては)同じ人間だったんだなあ」と変な感動をしてしまった。ファンタジー生物かSF知性体の仲間みたいに思っていたところがある。スーパー滑舌ボーカリストとギターを持った詩人も人間なんだなあ。この近さの衝撃、心理遺伝しそう。そんな予定はないけど。

 直近二回のツアーはそれなりに詳しく感想を書いてきたけど、今回がどうして簡単な感想なのかというと、ネット配信がないからだ。おれは音源の感想にしても映像の感想にしてもけっこう観返さないと感想が書けない(映像を観ることで現地での記憶が甦る)タイプで、前二回は時間が許す限り見返してようやく書けたところがある。今回はWOWOWを含めて配信はまったくないみたいで、そうなると貧弱な記憶力に頼らざるをえないからどうしても簡単な感想になる。詳細な感想はDVD/BDが発売されてから書く予定。

 以下、簡単な感想。

 体験型総合アミューズメント施設ポルノグラフィティランドの開園。門が開いて入場するや否や日曜日の憂鬱を吹き飛ばすべく歓声を上げながらライド系のアトラクションに吶喊して思うままに声を出してテンションを上げて童心に帰りひとしきり楽しんだところで、併設された映画館で社会派の映画を鑑賞して大人に戻り、やや落ち着いた気持ちを盛り上げるべくラストスパートをかけて園内を駆け巡り声出して跳ね回り駆け巡って、最後は夕暮れの寂しさをかみしめながら手を振ってさようなら。

 あくまでおれの観測している範囲では、だけどこのツアーが福岡……いや九州史上もっとも声が出ていたと思う。すげえ声出てた。意外だったのは「DAY」系の曲をやらなかったこと。近年を代表するヒット曲「THE DAY」を筆頭に、それこそ歌詞中に「ローマは一日にしてならず」が登場する「Ouch!!」や「A New Day」のような公演タイトルに絡めた選曲がほとんどなかったのは予想外だった。なんだったらド頭一発目は「Ouch!!」なんじゃないかと予想していたんだけど、大きく外してテンション爆上げ「Fu-Fu」であたまおかしくなった。

 最初の四曲でタガが外れるほど声出した。いや、こんなに声出したの高校部活動以来ですわ。ド頭一発目の「Century Lovers」は意外過ぎて頭が追い付かなかった。「テーマソング」を観客一同で歌えたのは本当に嬉しい。「キング&クイーン」と「Mugen」は「あっ、そういえば声出しソングだった」と頭の中バグっちゃいながら本能で声が出た。

 おいおいそのMCで「俺たちのセレブレーション」じゃねえのかよ、と「REUNION」は安定してカッコよい。……と思ってたら演るのかよと「俺たちのセレブレーション」は明るくお祭りソング。「アニマロッサ」「メリッサ」はどちらも昭仁の声の伸びがやべえ。やはり咽喉の筋肉はすべてを解決する。

 センターステージでの「Sheep ~song of teenage love soldier~」「ジョバイロ」はアコースティックでレア曲と定番曲をじっくり味わう。音圧で歌詞が染みる「フラワー」。花道に灯る誘導灯の演出が美しい「夜間飛行」。

 インタールードが超かっこいい。晴一がコーラスっぽいのを歌っていた気がするから新曲のインスト版なんじゃないかなと期待している。「オレ、天使」と「170828-29」は気分を高揚させるロックだけどメッセージ性が強く、「アビが鳴く」にも続いている。時事を想起させ、一本の映画を観たような充足感のあるパートは「解放区」でエンディングを迎える。

 じゃあもう一回テンションを上げましょうと「空想科学少年」だけど、この曲も一筋縄ではいかず前二曲のことを考えてしまう。「ハネウマライダー」「アポロ」「サウダージ」の定番三連発は純粋に楽しくちょっとだけ終わりが頭よぎって寂しさを感じながらも心は高揚した。そして本編ラスト「オー!リバル」で一度テンションを上げ切る。

 アンコールは「アゲハ蝶」と「ジレンマ」。クラップとワイパーと声出しの三点セットに一抹の寂しさが入り混じる。「ジレンマ」は撮影OKだったけど、カメラを向けながら手を振って声出して移動する二人を追いかけて身体の向きを変えてと忙しすぎて頭バグった。ソロパートは「渦」が最高だった。

 席がほぼ最前だったことも含めて人生最高のライブかもしれない。終了後数日は体調が悪くなるくらいはしゃいだ。すげえ楽しかった。本当、楽しかった。非アルバムツアーということで16th「UNFADED」を思い出すけど、どちらかというと全般的に選曲が新し眼で知名度の高いシングル曲も多かったから、そこまで詳しいわけじゃない人でも十二分に楽しめたんじゃないかなと思っている。

 もちろんアルバムツアーもやってほしいけどこんな感じのセットリストがまったく読めないツアーもやってほしい。あと、できれば最終日だけ媒体は問わないから有料で配信してほしい。おれみたいにブログを書く人じゃなくてもライブの熱冷めやらぬうちに画面越しに追体験するのも、新しい音楽ライブの楽しみ方だと思うから。

*1:以下敬称略。

*2:以下敬称略。