電羊倉庫

嘘をつく練習と雑文・感想など。ウェブサイト(https://electricsheepsf.web.fc2.com/index.htm)※「創作」タグの記事は全てフィクションです。

最近見た映画(2023年12月)

コマンドーニンジャ(2018年、フランス、監督:ベンジャミン・コンブ、68分)

 パロディ満載大変愉快な映画。

 タイトルの通りおバカな低予算自主製作映画。『コマンドー』と忍者をくっつけたタイトルで基本咳な設定はたしかに『コマンドー』のパロディだけど、そのほかにもおれが気付いた範囲で『ホームアローン』(たぶん)、『プレデター』(たぶん)、『ターミネーター』、『スターウォーズ』(たぶん)、『マッドマックス』、『プラトーン』(たぶん)、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のパロディがあった。作るの楽しかっただろうなあ。

 出かけるってんのになんでエクササイズしてんの? あっ、それ電話なんだ。まったく無意味なセクシー、まったく無意味な臓物ゴア描写。どこで誰に何を教わってんだ。え、えすえふ!? 急にえすえふですか!?

 目まぐるしく展開していてそんなに飽きずに楽しめた。アクションはわりとちゃんとしてる。とくに仮面付けたやつとのタイマンはそれなりに見ごたえがあった。主題歌の「コマンドー!ニンジャー!」が癖になる。爆破シーンはどっかから引っ張ってきたんじゃなくて自前で用意したのかな? だとしたら自主製作映画のわりに力は入っている。

《印象的なシーン》二次元転移なオチ。

コマンドーニンジャ

コマンドーニンジャ

  • エリック・カルレシ
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18歳の"やっちまえ"リスト(2020年、アメリカ、監督:マイケル・ダガン、103分)

 無軌道やって学んで前進した、という意味ではループモノに近いと言えば近い。自分のことしか考えてないはあんまり人のこと言えないよなあ。ガリ勉系だけど比較的人望あるの珍しい気がする。想像より明るい話だった。男性のリード楽器奏者が受験に有利とかあるのか。ちゃんとブレてほとんど一貫性がないところがとても若者らしい。学歴とか親の期待とかコネとかもちろんフィクションだけど、日本でも聞く話だなあ。アメリカも大変だなあ。

 うわあ……この親、うわあ……母親も父親も一度ずつ見せ場をもらっていたけどそのほかがことごとく……まあ、コメディ映画の親だから……。

 面白かったけどその理解とその展開はちょっとどうなと思う。「制度は〜」って結論はあまり好きではないけど、安易に入学する方向に進まなくて良かった。まあコメディだしハッピーで良かった。けど、その結論はある程度ちゃんとした人にしか適用しちゃいけないような……と、昨今の迷惑系ストリーマーを見てると思う。あと、それは論文じゃなくてレポートでは?

 完全に余談だけど、この映画は間違えて観始めた作品だったりする。音楽聞きながらPS4Amazonプライムのおすすめリンクを渡り歩いていたら注意力散漫で〇ボタンと×ボタンを間違えて連打してレンタルしてしまった。けど、食指が動いたわけでもなく観た映画にしては楽しめた(少なくともレンタル代500円分は楽しめた)。たまにはこういう観始め方もいいのかもしれない。

《印象的なシーン》幼馴染の告白。

 

 

デス・レース(年代、アメリカ/ドイツ/イギリス、監督:ポール・W・S・アンダーソン、110分)

 クソみてえなマリオカート

 殺し合いを動画配信して儲ける設定は『ガンズ・アキンボ』でも見たけど、アメリカのデスゲーム系ではそういうのが主流なのかな。レースシーン含めてアクションは流石の一言だし展開もストレートで楽しく、ラストもスカッと爽やかで良い。

 個人的にはコーチ以外のレースチームのメンバーにもっと焦点を当ててほしかったけど、これは好みの問題かな。コーチはラストに見せ場をもらっていてカッコイイ。マシンガン・ジョーはなんというか最終的には相棒みたいなポジションに収まったけど作中の描写だけでもそれなりのことをやっているんだよなあ……と思ったけどあの世界はかなり末世だからまあいいのか。あと突然のレイドバトルにはちょっと笑ってしまった。

 最後に注意書きが入ってて笑った。真似するわけないだろ!

《印象的なシーン》車同士が向かいあって撃ち合うシーン。

 

 

クレイジー・キラー/悪魔の焼却炉(1969年、スペイン/イタリア、監督:マリオ・バーヴァ、90分)

 サイコサスペンスなんだけど、これだけ年代が離れているとなんだか牧歌的に見えてしまう。社長なんだから激務のはずなのにのんびりしているように見えてしまう。ファッション業の社長らしくお洒落な家に住んでいて、それだけで画面が華やかで良い。

 犯人が主人公ということで倒叙ミステリに分類される。倒叙ミステリの宿命として結末は見えていて道中もそんなに捻りのある展開はないけど役者の力なのか演出の妙なのかそれなりに緊迫感はある。ラストはそこまで殺していたら死刑になるだろうからまだ……と思っていたらその逃げ道すら潰されているのか。

 パッケージほどおどろおどろしくはないけど、温室の草花が特殊な色になっている理由にはゾッとするしマネキン部屋の不気味さは一見の価値あり。あと、副題の焼却炉はそんなにストーリーに関与しない。

《印象的なシーン》人形部屋からスムーズに降霊術に移行する場面。

 

 

サマーゴースト(2021年、日本、監督:loundraw、40分)

 清く正しいジュブナイル作品。おれはメインターゲット層ではなかったけど、もっと心が清らかだった十代のころに観たらかなり心を揺さぶられていたと思う。幽体離脱(?)の表現なんかはアニメならでとても良かった。全体的な色調や街の空気感は好き。

《印象的なシーン》絢音が初めて現れる場面。

 

 

フランケンシュタインの怪物の怪物(2019年、アメリカ、監督:ダニエル・グレイ・ロンジーノ、32分)

 ジャンルとしてはモキュメンタリーになるのかな。現代の技術で昔のテレビドラマを再現していて現代のドキュメンタリーパートを含めて雰囲気は好きだけど、ストーリーはイマイチかなあ。短いのが悪い方向に作用していてちょっと盛り上がりに欠けるところがあった。こういうのを日本版で観てみたい気はする。

《印象的なシーン》セットの壁に穴をあけるシーン。